昨年末、新しい気仙沼中央公民館がオープンしました。市民の日常に寄り添う公民館ー新しい気仙沼中央公民館は、貸館機能の充実とともに、フリースペースが建物の中心に配置された造りになっているので、子どもから大人まで誰もが気軽に立ち寄ることができる公民館になっています。
今回はこの新しい気仙沼中央公民館とデンマークにはちょっとした繋がりについてご紹介します。
昨年夏、気仙沼市は、東日本大震災で被災した気仙沼中央公⺠館の復旧にあたり、市⺠⽣活をより豊かにする新しい公共施設の建築に現在取りかかっている最中のことでした。気仙沼らしさのデザインの一つとして、桜の名所のひとつでもあった大川堤の桜を取り込んだデザインを探されてしていたところ、市長が偶然にテレビでデンマーク大使公邸のデザインを目にされ、桜の色をほうふつとさせる外壁タイルの色にインスピレーションを受けられたとのことを知り、このことをご縁に、デンマーク大使と気仙沼市長がデンマーク大使公邸で会談が実現したということが昨年夏にありました。
デザインと建築は、日本とデンマーク、両国の関係を繋いできた重要な要素の1つでもあり、2つの国のデザインは、親和性が高いことでも知られています。そんなデザインと建築を介した両国の新しい繋がりがまた一つ増えました。
新しい気仙沼の中央公民館内のインテリアには、日本のデザイナーによる家具とともに、デンマークのカール・ハンセン&サン による椅子なども配置されています。ホワイエに配置されているのは、デンマークを代表するハンス J. ウェグナーが手掛けたYチェア。その奥に見えるのは、深澤直人氏がデザインしたマルニ木工のHIROSHIMAシリーズのアームチェアです。日本のデザインとデンマークデザインの品質・デザイン性の高い椅子が調和し、中央公民館に集う市民の方々の活動にさりげなく寄り添う、そのような場になっています。
なお、建築設計は岡田新一設計事務所によるものです。
Design and architecture have been one of the key elements that has been uniting Denmark and Japan over centuries.
Last year, Kesennuma, located in Miyagi Prefecture and being hit by the earthquake and tsunami in 2011, the city was rebuilding its public centre to enhance the quality of life of the local citizens in the future. While working on the concept and design for this new public center, the Mayor coincidentally spotted the tiles of the facade of the Danish Embassy in a program aired on Japanese television. The reddish tiles reminded the Mayor of sakura (cherry blossom trees) and he became inspired for the architectural project of the public center, as the area was known for cherry blossoms before tsunami. Therefore, Mayor reached out to the Embassy – and the Ambassador welcomed City Mayor in the Residence last summer.
The new central city hall got completed last year end. Inside the central city hall, citizens and visitors can experience a comfortable space, where high quality chairs designed by Hans J. Wegner placed in harmony with design by Japanese designer, Naoto Fukazawa.