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アートとクラフトの交わる場所

アートとクラフトの交わる場所

デンマークの家具ブランド、フリッツ・ハンセンの有名なコレクションは、これまで幾度も著名なアーティストたちによって再解釈されてきました。アーティストたちがデンマークのデザイン・アイコンに新たな刺激を与えているのです。

偉大なる作品への挑戦

フリッツ・ハンセンは、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルムといったデンマーク・デザイン界のパイオニアたちが生みだした高級デザイン家具の歴史あるメーカーです。近年、同社は気鋭アーティストとのクリエイティブなコラボレーションを企画し、自社の有名デザインにチャレンジを挑む姿勢でも知られるようになりました。例えば、タル・アールやジョン・コーナーといったデンマークのアーティストは、それぞれアルネ・ヤコブセンのエッグ・チェアの再解釈を試み、力強い新色パレットを追加しました。

フリッツ・ハンセンは慣れ親しんだものにチャレンジを挑んでこそ進歩があると考え、こうしたコラボレーションに前向きです。CEOのヤコブ・ホルム氏によれば、同社はもとより工業デザインとアートが交わる領域で工芸品を制作しており、創造的なコラボレーションは理にかなっているのです。

「当社は、職人技を尽くした人の温もりを感じさせる製品が特徴です。ですからアーティストの世界に踏み込み、芸術的な加工を加えた姿に関心をもつのは自然なことです」とホルム氏は語っています。表現力豊かなアーティスト、タル・アールは、2008年に同社とのコラボレーションでパッチワークを張ったエッグ・チェアを制作しました。

独特の色使いで世界的に知られるタル・アールは、今年フリッツ・ハンセンとのコラボレーションを再開し、アルネ・ヤコブセンが1955年にデザインしたセブン・チェア3107に9つの新色を加えました。この椅子の誕生60周年の節目に、タル・アールはオーガニックなフォルムに合わせた家庭的で温かな表情の新色を発表しました。

フリッツ・ハンセンによれば、コラボレーションによって家具は新たなエネルギーを吹き込まれ、新しい世代にとっても新鮮で活き活きとした面白い作品であり続けることができます。コラボレーションの目的は決して挑発ではなく、アートの世界における家具の可能性を追求するチャレンジなのです。新しい解釈は商業的な目的に基づくものではありません。フリッツ・ハンセンはこうした作品を販売せず、世界中で展示を行っています。

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Photo & text: © DanishTM

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