デンマークは時代を問わないシンプルでミニマリスティックなデザインで知られています。家具、宝飾品、建築物、そして工業デザインの分野でも、誰もが知る世界的デザイナーを多く輩出しています。
アルネ・ヤコブセンもそうしたデザイナーの一人で、主に家具のデザインで知られています。ヤコブセンが1958年にデザインしたエッグ・チェアは、もともとコペンハーゲンのホテル・ラディソンのためにデザインされたものでしたが、たちまち全国で大人気を博し、今も多くの家庭で使われています。彼の作品では、スワン・チェアーも有名です。
ジョージ・イェンセンはデンマークの銀細工デザイナーです。彼の名を冠したブランド「ジョージ・ジェンセン」は、特に1940年から続くデイジー・コレクションでよく知られています。このシリーズはマルグレーテ女王(現在のデンマーク女王)と、その母であるイングリッド女王にちなんで命名されました。マルグレーテ女王がよく身につけているデイジーのブローチは、ごく初期のデザインで、イングリッド女王から受け継いだものです。このシリーズは現在も非常に人気が高く、あらゆる年代の女性に愛用されています。
ポール・ヘニングセンはランプのデザインが特に有名です。彼は1926年に初めて「PHランプ」をデザインしました。PHランプのデザインは、当時の一般的なランプとは大きく異なっていました。PHランプは金属や白色ガラスでできた複数(通常3〜8枚)の板を使っています。反射光だけで室内を照らせる美しい光源を作ることが、PHランプのコンセプトでした。
ヨーン・ウツソンはデンマークの建築家です。彼はデンマーク国内でも多くの建築物をデザインしましたが、もっとも有名なのはシドニーのオペラハウスでしょう。
近年の活躍がめざましいデンマーク人デザイナーの一人がルイーズ・ キャンベルです。キャンベルは実験的で洗練されたデザインで世界的に知られています。ルイス・ポールセン、HAY、ステルトン、ムート、ジョージ・ジェンセン、ロイヤルコペンハーゲンといったデンマークのブランドを含む、様々な企業をクライアントとしてデザインをしています。
Photo: © Fritz Hansen