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デンマークのデザイン・アイコン:ウィッシュボーンチェア

デンマークのデザイン・アイコン:ウィッシュボーンチェア

今回のブログ記事は、デンマークの真のデザイン・アイコンとして有名なウィッシュボーンチェアについてです。

ウィッシュボーンチェアをデザインしたのはデンマークの家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーです。ウェグナーは20世紀を代表する家具デザイナーの一人で、2007年にこの世を去るまでに500以上の椅子をデザインしました。

ウィッシュボーンチェアは世界的に愛されている作品で、1950年の発売から65年を経た今でも斬新さを失わないデンマーク家具デザインの逸品です。

ウェグナーがデザインしたこの椅子は「デンマーク・モダン期」の象徴となりました。「デンマーク・モダン期」は、人々が新しい視点で家具を見るようになった時代です。ウィッシュボーンチェアの軽やかでクリーンな魅力あふれるデザインは、当時の暗く重厚な家具とは対照的でした。ウェグナーのデザインはそれまでも「大胆」と評されていましたが、Y型の特徴的な背もたれを持つこの椅子は瞬く間に大人気を博し、デンマークでもっとも売れた椅子の一つとなりました。

ウェグナーはコペンハーゲンの国立美術工芸学校在学中にこの椅子の着想を得て、そして卒業から4年後に最初のデザインを完成させたのです。

ウェグナーの個性的なデザインを最初に見出したのは、デンマークの家具メーカー、カール・ハンセン&サンでした。それから半世紀を経た現在も、同社はこの椅子の製造を続けています。ウィッシュボーンチェアは今ではクラシックと呼べる製品ですが、今も若干のカスタマイズを施した2015年版を購入することができます。現在は6種類の木材と特徴的な25色を組み合わせた150種類のバリエーションが提供されています。

職人技術に向けられたウェグナーの情熱は今も受け継がれています。職人がこの椅子を1脚製作するためには、100工程を超える手作業が必要です。さらに、非常に複雑な組み立てであるため、これを完成させるためには完璧な技と精密さ、そして木工に関する豊富な知識が必要とされます。

流行は常に移り変わるものですが、ウェグナーの傑作が流行遅れになる気配はありません。カール・ハンセン&サンの言葉を借りれば、ウィッシュボーンチェアの存在意義が薄れることは決してないでしょう。なぜならウェグナーの細部へのこだわりには永遠の生命が宿り、新鮮な驚きを生み出し続けているからです。

ウィッシュボーンチェアの人気は世界中でみられ、デンマークのアマリエンボー宮殿や、六本木の国立新美術館など、各地の有名な場所に設置されています。

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Photo & text: © DanishTM

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