コペンハーゲンのデンマーク・デザイン美術館で2015年10月8日に開幕する新展示「日本から学ぶ」は、日本へ賛辞を贈る内容となっています。この展示は、デンマークのデザインが日本から受けた影響がテーマです。来場者は日本美術の象徴的な世界に触れ、日本がどのようにしてデンマークの工芸やデザインにインスピレーション与えてきたかを学ぶでしょう。
展示会の着想と内容について
今年で創設125周年となるデンマーク・デザイン美術館は、設立当初より、デンマークの美術産業に大きな影響を与えた日本の美術品の収集に力を入れていました。1900年をまたぐ数十年間、デンマークの美術と工芸は日本美術から多大な刺激を受けました。日本への魅了は20世紀を通じて続き、日本とデンマークのデザインの共通項は今日も失われていません。
「日本から学ぶ」展では、同美術館の素晴らしい日本コレクションと並べて、日本にインスピレーションを受けたデンマークの美術、工芸、デザイン、建築、グラフィック作品が展示される予定です。これまでほとんど公開のなかったものも含め、同美術館のさまざまな所蔵品も展示されることになっています。
18世紀の美しい日本版画、独特なグラフィック、日本の独自技術で作られた陶器などのコレクションがご覧いただけます。また、建築、インテリアのコーナーでは、両国のデザインに自然が果した役割についても解説されています。
デンマークと日本の応用美術に見られるいくつかの共通点は、両国が鉱物、金属、燃料といった天然資源に乏しいことに起因しています。日本は豊かな森林に覆われ、家や家具の重要な素材として木材を用いてきました。デンマークにおいて日本からのインスピレーションが特に顕著に表れているのは、戦後の低層一戸建て住宅です。またインテリアや家具のデザインでも、いたるところに日本の影響が見て取れます。
同展は2年にわたり行われ、デンマークと日本が外交関係樹立150周年を迎える2017年に完結します。
詳細についてはhttp://designmuseum.dk/en/udstillinger/japanisme
Photo & text: © Designmuseum