当時はまだ職人が一点一点家具を作るの事が主流で、家具はとても高く、普通の人ではなかなかすぐに買うことの出来ないものでした。「家具は人々を幸せにする」と信じていたモーエンセンは普通の若者でも良質な家具を買えるようにしたいという夢を持ち、それをかなえるために、FDBモブラーの初代代表になりました。
モーエンセンとFDBモブラーとの関係は非常に良く、今まで大量生産出来なかった環境を変え、FDBモブラーの基盤をつくっていくことになります。
このJ52は当初J6としてデザインされ、その後座面の変更やディテールの変更があり、品番が変更になりましたが、FDBモブラーの一番はじめの広告にも登場し、その後もポスター等に採用されるなど看板的な商品として人気を集めました。
コーアクリントの教えから、J52はイギリスのウィンザーチェアにヒントを得て、シンプルで美しく作りやすい、当時のデンマークの世相に合わせリデザインされたスポークバックチェアです。
J6からJ52になった際に新しくロッキングするタイプのJ52Gも開発され、通常タイプのJ52Bと共に、FDBモブラーの代表的な椅子として時代を牽引しました。FDBモブラーの顔であったデザインなので、最後まで残し一番はじめに復刻された中のひとつとなっています。